遺族年金や死亡保険金の請求、金融機関の口座の解約や名義変更、相続税の申告など、多くの手続きには役所が発行する書類が必要となります。
例えば、
「亡くなられた方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を提出してください」などと言われます。
私も、父親の手続きをした時に初めて聞いたのですが何の事だかさっぱり分りませんでした。
「連続した戸籍」って何?とあわてたのを思い出します。
◎連続した戸籍とは
亡くなった方の相続人全員を確認するために、「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」が必要となります。
例えば、離婚歴があったり、隠し子が発覚したりと自分たちの知らない新たな相続人が見つかるかも知れないからです。
◎戸籍謄本とは
「戸籍謄本」とは、戸籍の原本をそのまま写したものです。
「名前」「生年月日」「父母の名前」など、すべての事項が写されていることから、「全部事項証明」とも呼ばれます。
戸籍に入っている全員についての記載があります。
◎戸籍抄本とは
戸籍に記載されている中で特定の個人についての写しをいいます。「個人事項証明」とも言います。
◎葬儀後の手続きで必要となるのはどっち?
葬儀後の手続きで必要となる書類は、戸籍謄本が必要となる事が殆どです。
「戸籍抄本」と間違えないようにしましょう。
役所の窓口で、「●●の手続きで、○○の(亡くなられた方)出生から死亡までの連続した戸籍謄本が欲しいのですが」と窓口ではっきりと言えば間違いなく書類を入手できるはずです。役所の窓口でちゃんと経緯を説明すればやさしく対応してくださいます。
ただし、戸籍謄本が1通ですむことはほとんどありえません。
なぜなら、戸籍は、夫婦とその子どもで成り立っているので、子どもが結婚すると新たに戸籍が作られるからです。
例えば、父親が亡くなった場合、その息子、娘の戸籍謄本も必要になるのです。
また、戸籍謄本を取得するには、本籍地で請求する必要がありますので、現住所と本籍地が違う方はご注意ください!その場合は、郵送での取得も可能です。
◎除籍謄本
ひとつの戸籍に記載されている全員が死亡や結婚した場合は、戸籍簿から外され別に保存されます。
それを除籍簿といい、その写しを「除籍謄本」といいます。
◎住民票
実は、住民票にも「謄本」「抄本」があります。
世帯全員がきさいされたもの、特定の個人についての写しです。
住民票の写しには、世帯主、続柄、本籍などが省略されています。
そのため、それらの事項が必要な場合、別途記入する必要があります。
◎戸籍謄本はお金がかかる!!
戸籍謄本を取得すると結構な金額になります。福山市の場合ですと、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本が1通750円かかります。
ワンセットで1200円です。これを手続き先全てに提出することになり、例えば5セット必要となった場合には6,000円かかります。
手続きに必要だからと言っても、できるだけ手数料の負担は押さえたいものですよね。
原本の返却が可能な場合には、コピーをとってもらい、できるだけ返してもらうようにしてもらうと良いでしょう。